氏名 : 加藤 正人 (281567078)
所属 : 白石研
題目 : 等温壁のある3次元予混合自己着火乱流燃焼過程の直接数値シミュレーション
概要 :
近年,空気と燃料の予混合気を圧縮自己着火させる燃焼方式(HCCI)が注目されている.HCCIは従来の自動車エンジンの燃焼方式と比べ熱効率が高く,PMとNOxの排出が少ないという特徴を持つ.その一方,高負荷でのノッキングの発生,着火時期の制御が困難,実現領域が狭いという課題を抱えている.これらの課題の克服および熱効率の向上のためには壁近傍での乱流燃焼の物理の解明が重要である.近年の計算機の発達により,乱流燃焼の直接数値シミュレーション(DNS)が可能となり,実験測定が困難な物理量を解析できる有効な手段として注目されている.本研究の目的は等温壁のあるnヘプタン予混合自己着火過程の3次元DNSを実現し,壁近傍の乱流燃焼の性質および熱損失に関係する物理を明らかにし,HCCI
実用化のための指針を得ることである.これまでに,2次元DNSでは,壁近傍格子間隔の調整によりnヘプタンの低温酸化反応から本着火に至る過程を全て計算可能にし,低温酸化反応時の壁面熱損失は乱流が強いほど大きいことを明らかにした.等温壁のある3次元DNSにより低温酸化反応時および本着火時の壁面熱損失を評価し,関係する乱流燃焼の物理を解明することが今後の課題である.
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