氏名 : 片岡 勇貴 (281567073)
所属 : 張研
題目 : 陰的ルンゲクッタ法に対するブロック対角化と計算コスト削減の関係性について
概要 :
本研究では常微分方程式の数値解法として広く知られているルンゲクッタ法を扱う。
ルンゲクッタ法には様々な公式があるが、本研究では安定性で優れた性質を持つ陰的ルンゲクッタ法に注目する。
一般的には陰的ルンゲクッタ法は各ステップで線形連立方程式を解かねばならず、膨大な計算コストがかかることが問題になる。
また精度を上げると、計算コストが増加する。既存の4次精度公式は2次精度公式と比較すると8倍もの計算コストがかかり、
6次精度公式と2次精度公式を比較すると27倍もの計算コストがかかる。そこで、高速で高精度な公式の構築が期待される。
ルンゲクッタ法の理論研究では、各ステップで解く線形方程式をブロック対角化できれば計算コスト削減につながることが
知られているが、これを実現する具体的な公式は知られていない。本研究では上述の線形方程式をブロック対角化できるための条件を
考えることで2次精度公式と同程度の計算コストで実装可能な新しい4次精度公式の導出を行う。さらに、テスト問題を通して、
新公式が有するエネルギー保存性等の性質についても考察する。
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