氏名 : 磯村 泰爾 (281567031)
所属 : 大野研
題目 : ポーラスゲル薄膜の均質変態に及ぼすクリージングの影響
概要 :
膨潤誘起座屈はゲル薄膜の表面に微細なパターンを広範囲にわたって均質に生じさせ
る.この均質変態によって,特異な光学特性や表面の接着・濡れ性などを発現するこ
とができるため,幅広い応用が期待されている.円孔を正方配列したゲル薄膜を膨潤
誘起座屈させると,ダイヤモンドプレートパターン(DPP)と呼ばれるパターンに均
質変態することが報告されている.しかし,DPPへの均質変態を発生させるメカニズ
ムは明らかではない.先行研究によると,均質変態の原因となる不安定変形には座屈
とクリージングの二種類があることが示された.座屈とクリージングは寸法条件に
よって優先度が変化するため,寸法条件を考慮しなければならないということが報告
された.座屈については様々な解析を行い,検討を重ねてきたが,クリージングに関
しては,解析対象となっていなかった.そのため座屈だけでなくクリージング現象に
着目することによって,DPPへの均質変態及び不均質変態の機構をより詳しく明らか
にできると考えられる.本研究では,従来の不均質場理論を用いた有限要素解析に加
え,座屈固有値解析を行い,クリージングの影響を受けるゲル薄膜の寸法条件につい
て調べた.
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