氏名 : 安部 真晃 (281567013)
所属 : 河口研
題目 : 経路の複雑さによらないPDR評価指標の提案
概要 :
屋内位置測位のひとつとして,携帯端末に搭載された加速度センサや角速度センサの示す値から歩行者の移動量を算出し位置を推定する手法として,歩行者デッドレコニング(以下PDR)が存在する.これに関する研究は複数存在し,誤差が蓄積するという問題点がある.この誤差は歩いた経路長が長いほど大きくなる.
しかしながらこれまでのPDRの精度評価は,経路の最終地点における正解座標と推定座標の距離を精度とするにとどまっており経路の複雑さを考慮していないものが多い.
本研究では,それぞれのPDRを比較することのできる評価指標を提案する.
PDRが距離,進行方向,高度推定の3つの要素から構成され,これらを合成して位置推定を実現していることに着目する.総合評価である位置推定を1秒あたりに生じる座標誤差で評価し,これに加えて,経路長,進行方向,高度推定の各要素を指標により評価する.
累積角度変化や経路長,高度の値を使い指標を算出することで経路の複雑さを指標に取り込み,異なる経路を用いて評価したときの指標の値のばらつきを抑えることを試みた.
上記で述
べた構成
要素毎の比較検討手法を用いて,実際の経路データを分析し,指標のばらつき具合を確認したところ,提案評価指標のばらつき具合は既存の指標のばらつき具合よりも小さいことが確認できた.また,既存の評価指標では明らかにならなかったPDRのボトルネックを発見することができた.
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