従来の歩行ロボットは、脚の軌道をあらかじめ計画することで歩行を行っている。 この方法においては、地面の凹凸などの環境情報、またロボット自身の力学的特性 に関する情報を完全に得てから行動する必要がある。また、ロボットと環境との間 のダイナミクスは非常に複雑となり、その処理には膨大な計算量が必要となる。
これに対し生物は、CPG(Central Pattern Generator)と呼ばれる神経回路の働きを もとに歩行を生成していることが明らかになっている。CPGは、身体および環境の ダイナミクスに対し「引き込み」と呼ばれる同調現象を起こす特性をもつ。生物の 情報取得能力および計算能力は限られているが、このCPGの特性によって、しなや かな歩行を実現している。
当研究においては、CPGをもとにした4脚歩行ロボットのコントローラを構築し、 その能力をシミュレーションおよび実機で検証する。