氏名 : 若狭 敦志 (280067305)
所属 : 金田研
題目 : σ座標海洋モデルの数値計算
概要 :
地球規模の海洋の計算では、鉛直方向に比べ、水平方向のスケールが非常に大きい。また、地形変化の影響を大きく受けるため、三次元的な計算
をすることが必要である。しかし、メモリーの制約から格子点数を増やすことは困難なため、格子点数を増やさずに正確な計算ができる、高精度・
高解像度のスキームが望まれる。大気の場合に用いられているスペクトル法は、複雑な境界を持つ海洋の計算には使用できない。また、差分法の中
でも結合コンパクト差分法(CCD)などがあるが、簡単なモデルにしか適用されていない。
本研究の目標は、実用的なモデルに対する高解像度の差分スキームを開発することである。現在は、σ座標海洋モデルの一つである、プリンスト
ン海洋モデル(POM)のプログラムの変更を行っている。σ座標とは、地形と水面の形状に沿った座標系で、海底の地形が複雑に変化する場合でも格
子を形成することが出来る。また、POMは現実の海洋を計算出来るよう、風による表面応力、温度、塩分濃度なども考慮されている。スキームは、
計算格子としてArakawaC-grid(staggered gridの一種)を用い、有限体積法で計算している。しかし、この方法は、物理量が保存されるが、精度
は低い。
今回は、POMの評価、勉強を兼ねて、計算条件を変えて計算し、β効果(地球の自転による効果)、風の効果、海山の影響などについて調べた結
果を示す。
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