氏名 : 森田 新 (280067267)
所属 : 第六講座
題目 : デジタル相関器を用いた超音波距離計の開発
概要 :
自然界におけるコウモリに見られるように、周波数変調された超音波パルスを用
いることで雑音が存在する環境下であっても正確に距離測定を行うことができ
る。周波数変調された超音波パルスの伝達遅延時間の推定に適した方法として相
関を用いる方法があるが、汎用のプロセッサでは実時間での処理が難しく、発熱
などの実装面での問題がある。光子計数相関の測定実験では相関関数の演算を実
時間で行うために相関関数をハードウェアで実装したデジタル相関器が用いられ
ている。JakemanとPikeによって導入されたclippingという概念により入力信号
を1ビットに量子化する方法や、2ビットに量子化する方法で単純な回路でデジ
タル相関器が構成できるようになった。本研究では、超音波の信号処理に適した
小型で実装が容易なデジタル相関器を開発し、距離計測や障害物回避に応用する
ことを目的とする。相関演算によって雑音に埋もれた反射波を検出する場
合、十分な測定精度を得るためには送信パルスの持続時間を長く設定する必要が
ある。しかし雑音の影響をできるだけ少なくするには雑音と反射波が重ならない
ようにできるだけ持続時間の短いパルスが望ましい。本研究では入力信号を1ビ
ット及び2ビットに量子化するデジタル相関器を作成し、1ビットに比較して2
ビットのほうが送信パルスの持続時間を短くしても測定精度を落とさずに雑音に
影響されることなく距離測定できることを確かめた。
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