自然界、言い換えれば我々が生活している空間で「流れ」を考える時、流れの
状態は「乱流」である。
乱流の特徴としては、巨大自由度があげられる。この自然界の流れを数値計算によっ
て解析する時、
計算機では有限自由度しか取り扱う事ができないため何らかの近似をしなければなら
ない。そこで、
LES等のモデル化を行って計算を行う必要がある。
LESは、流れ場の種類によって個性的な大きな渦だけを直接解き、どのような
流れ場でも共通性を持つ
小さな渦についてはモデルを与えて行う数値計算である。しかし、従来のLESでは小
さな渦については
モデル化されてしまうため、誤差が原因となる予測可能性の限界を評価する事はでき
なかった。
そこで、本研究では確率論的LESモデルを用いて、3次元等方性乱流の予測可
能性を評価する事を目的とする(LESの格子点数32**3)。
比較対象とするものは、いっさいのモデル化を行わない数値計算DNS(格子点数
512**3)である。
速度場の差のエネルギースペクトル(誤差スペクトル)を比較した結果、本研究で行っ
た確率論的LESの誤差スペクトルは
DNSの誤差スペクトルを定性的、定量的に再現することができた。
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