氏名 : 木村 直樹 (280067100)
所属 : 稲垣研
題目 : 自然な話し言葉翻訳のための決定木学習を用いた待遇表現の生成
概要 :
対話翻訳では、より自然な翻訳音声を生成するために話し手が発話内容を正確に
翻訳するだけでなく、聞き手などに対する話し手の敬意を翻訳文に反映させる必
要がある。敬意を表す表現を待遇表現と呼ぶが、一般に異なる言語間では待遇表
現の形態に差があり、原言語と目的言語の待遇表現をそれぞれ対応づける規則を
人手で正確に作成することは困難である。
そこで本研究では、待遇表現の生成規則を学習により獲得する手法を提案する。
待遇表現は、対人関係や会話状況、ならびに発話内容によって様々に変化する。
本手法では、待遇表現を決定するために、発話者の役割、発話内容における動作
主、動作内容という3つの要素に着目する。通訳者による発話文においてこれら
の3要素と待遇表現を対応づけたものを事例とし、エントロピーに基づく貪欲法
による学習アルゴリズムの1つであるC4.5を用いて決定木を獲得する。ATR音声言
語データベースの英日通訳者の発話1,445発声から収集した2,588事例をもとに学
習を行い、629のノードからなる決定木を獲得した。
161述部を用い、待遇表現生成実験を行った。
目次に戻る