氏名 : 濱端 航平 (281667172)
所属 : 白石研
題目 : 原始惑星系円盤乱流中のダスト衝突付着成長シミュレーション
概要 :
原始惑星系ガス円盤中には、氷や岩石からなるミクロンサイズ以下のダストがガス質量の
1%
程度存在しており、ダストは円盤内で衝突・合体を繰り返すことでそのサイズを増していき、キロメートルサイズの微惑星、そして惑星を形成していくと考えられている. しかし、この微惑星形成過程には中心星落下や衝突破壊などいくつか理論的な問題点があり未解決のままである. 先行研究では、乱流によって微粒子(慣性粒子)の集中が促進されることなどが明らかになってきている(Pan
et al., ApJ. 2011)が、実際の粒子の成長過程解明には至っていない.
さらに、岩石ダストの場合、限界付着速度条件が氷ダストに比べ厳しく、成長しづらいことも分かってきている. そこで、本研究では、外力のあるナビエ・ストークス方程式を、数値粘性を用いることなく直接数値計算(DNS)し、より正確な乱流場中で慣性粒子(ダスト)の追跡を行い、さらに、限界付着速度条件(Wada
et al.,A & A,
2013)などを考慮に入れた、簡易な衝突付着成長モデルを導入することにより、岩石ダストを想定した乱流中での慣性粒子の成長の数値実験を行った. その結果、粒子の平均衝突速度は限界付着速度を上回るが、大きく成長できる粒子も存在している事、同径粒子は厳しい速度差条件下でも付着成長可能である事が分かった.
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