氏名 : 櫻井 幹記 (281667080)
所属 : 白石研
題目 : 微惑星形成過程における圧縮性乱流場の影響について
概要 :
現在の惑星形成における標準的なシナリオは、原始惑星系円盤中のダストが衝突合体を行い、微惑星を経て惑星になるというものである。しかし、微惑星形成の過程に様々な問題があり、未だに地球のような岩石惑星は数値計算によって再現できていない。その問題の起因となるのが、微惑星の基となる慣性粒子(流れへの追従性が慣性に依存する粒子)の運動を支配するガスが乱流状態となっていることである。
現在の太陽系に基づいて作られた原始惑星系円盤のモデルでは、流体の圧縮性の度合いを表すマッハ数は1以下であると示唆されている。また、流体力学の分野では、圧縮性乱流場中に生じる衝撃波が慣性粒子の凝集を促進するという報告がされている。そこで本研究では、圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式に従う乱流場を計算するためのプログラムコードを作成し、その乱流場の性質を調べた。その結果、マッハ数が大きくなるにつれて衝撃波のようなものが観測された。また、平均的なマッハ数が1以下であっても局所的に1を超える領域が存在することが分かった。これにより、圧縮性乱流場は非圧縮性乱流場とは性質が大きく異なることが分かった。今後は、実際に慣性粒子を追跡し、その凝集度合い等を調べる予定である。
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