多くの物理現象は偏微分方程式で記述され,多くの場合,それらは離散化という作業を経て,数値計算される.離散化手法としては,有限要素法や差分法が有名であるが、本研究では,近年注目されている不連続Galerkin法(以下,DG法)について考える.
DG法は,連続関数を不連続関数で近似をすることで,離散化を行う手法である.不連続性を活用することで,複雑な空間領域を扱うことができ,また,容易に離散化精度を上げられるといった利点があるが,一方で,区分境界項(不連続点上の値)の定め方に任意性があり,その定め方によっては,数値解を得るために解く連立一次方程式の条件数が悪化したり,数値解の誤差が大きくなることが報告されている.
本発表では,熱拡散方程式などの基本的な偏微分方程式に対して,不連続点上の値の定め方による影響を数値例を通して報告する.