氏名 : 山田 浩輔 (281067287)
所属 : 美宅研
題目 : 原子間力顕微鏡を用いた脱脂質紫膜中のバクテリオロドプシンの解析
概要 :
バクテリオロドプシン(BR)は光サイクルによるH^+ 輸送機能を持つ膜タンパク質である。
結晶構造をとることから詳細な立体構造が分かっているため、膜タンパク質研究のターゲットとなっている。
タンパク質が一次元的なアミノ酸配列から三次元の立体構造にフォールディングする際には様々な力を受けると考えられる。
タンパク質周辺の相互作用には静電力、ファンデルワールス力、水素結合、疎水性相互作用などがあり、周囲のタンパク質や脂質、水、イオンと相互作用している。
膜タンパク質の立体構造形成における膜の脂質との相互作用を調べるため、本研究では紫膜に対して脱脂質を行い、原子間力顕微鏡を用いて観察する。
現在、脂質の一部を抜くことによって、観察された膜表面状の隆起部分(Bumps)の密度が変化したほか、
BR1分子を引き抜いたときの力を測定するフォースカーブの形状に特徴的な違いが現れることが分かっている。
脂質とBRの相互作用がBumpsの形成に関わっていると考えられるため、これを定量化するのが目標である。
また、引き抜きによるBRアンフォールディング過程のどこで脂質の影響が現れるかを解析できれば、どの部分の構造安定化に脂質が関わるか調べられる。
目次に戻る