氏名 : 服部 達哉 (281067201)
所属 : 美宅研
題目 : コイルドコイル構造に着目した生物ゲノム比較
概要 :
コイルドコイル構造とは、筋肉を動かすタンパク質や遺伝子を読み取るタンパク質に見られる構造単位のひとつである。本研究ではコイルドコイル構造を予測するツール「SOSUIcoil」を用いて、生物ゲノムに含まれるコイルドコイルタンパク質を調べ、生物ごとに見られる特徴を考察することで、生物進化の過程を探ることを目的
としている。
真核生物ゲノムに含まれるコイルドコイルタンパク質の割合は約60%とほぼ一定であったが、原核生物ゲノムではその割合は30〜60%とばらつきがあった。また、アミノ酸数100以上の長いコイルドコイル構造を持つタンパク質の割合を調べると、植物・菌類では3%であったのに対し、動物・原生生物では7%
であった。この結果から、生物は進化の過程でコイルドコイルを一定に保つようになり、動物は長いコイルドコイル構造を多く持つような進化を辿ってきていると考えられる。
今後は、比較としてランダムな配列の変異シミュレーションを行う。また、コイルドコイル構造の脆弱な部分のタンパク質機能との関係について研究
したい。
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