省エネを促進する方法の一つとして, 消費電力に関する情報を機器使用者に提 示して, エネルギーへの関心を高める"可視化"が挙げられる. 省エネには機器の 買い替えが有効とされるため, 可視化では各々がエネルギー消費状況に問題意識 を持ち, 買い替えを促進できる情報を提示することが望ましい. そのためには, (1)収集する電力情報の粒度は細かく, (2)自分が行った操作が消費電力値の増減 にどう影響するのかを知るための情報を共有できることが望ましい.
本研究では, (1)細粒度電力センサを用いて計測し, (2)電力計測時の使用状況 と消費電力値の情報を併せて投稿し, 他人と共有するシステムを提案する. ユー ザは, 電力センサで消費電力を計測し, 携帯端末経由で機器操作時の状況を入力 してからwebサービスに登録する. また, 機種や使用状況等の項目から見たい投 稿を探し, 各投稿ページでは他人が意見等の情報を追加できる. 他人が経験し登 録した情報を誰でも知ることが可能になるため, 電力消費に関する行動指針を学 び, 省エネ行動につながることが期待できる.