氏名 : 森島 由太 (281067260)
所属 : 金田研
題目 : 適合格子を用いた乱流の情報縮約手法
概要 :
身の回りの至る所に存在する流れの多くは乱れた流れ(乱流)である。乱流現
象を解明する手段として数値シミュレーションがあり、特に流体の支配方程式を
モデル化なしに解く直接数値シミュレーション(DNS)が、実験で測定困難な
物理量を測定誤差なく得られるため有効である。しかし、現在もしくは近い将来
における計算機の性能では、台風のように非常に高いレイノルズ数の流れの
DNSは計算時間・メモリ(計算コスト)が多大なため困難である。そこで計算
コストを減らしてシミュレーションを行うために、数理・物理学的根拠を持つ情
報縮約手法の開発が必要となる。
その情報縮約手法のひとつに、ウェーブレット解析を利用した秩序渦シミュ
レーション(CVS)がある。この手法は乱流の普遍的性質である間欠性を利用
し、変動の激しい部分だけに細かな格子を用い流れに合わせて格子を変化させる
適合格子シミュレーションの一種である。
さらに適合格子CVSの計算コストを減らす手段として、高精度化が有効であ
る。ある正確さのシミュレーション行うとき、高精度化することで精度の低いも
のに比べて少ない格子で計算できるため、計算コストの削減ができる。そこで、
本研究ではCVSの高精度化に焦点をおいて研究を行っている。
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